理学療法士・作業療法士の離職率を徹底調査|転職を成功に導くポイント
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困っている療法士
理学療法士・作業療法士って入れ替わり激しいけど,離職率ってどの程度なの?
みんなどんな理由で離職しているか気になるな!?
私は,まだ学生だけど離職率って職場環境を知る上で大切なポイントよね?.理学療法士・作業療法士の離職率は気になるわ.
本記事を読めばこのような疑問を解決することができます.
著者も転職を2回経験しています.
離職率は,就職・転職する際にチェックすべきポイントです.
一般的に,医療・介護職は離職率が高いと言われています.
しかし,転職理由は様々でありネガティブなものばかりではありません.
離職率を見る際は,辞める理由を明らかにし,それらを踏まえた解釈を行う必要があるのです.
また,自分自身の離職する理由を明確にすることで自己成長につながり転職活動を有利に進めることができます.
私も,転職する際は「療法士が転職を失敗しないために日頃からとるべき行動5つ」を実践し,転職を成功させました.
本記事の内容は下の通りです.
本記事の内容
PT・OTの平均勤続年数と離職率
PT・OTの離職理由
PT・OTが離職率の低い職場の選び方
本記事を読めば,離職率だけでなく離職しやすい分野やもわかります.
理学料療法士・作業療法士の離職理由を把握し,次の転職に活かしましょう.
5分程度で読めるわ.
最後まで見てね.
目次
理学療法士・作業療法士の平均勤続年数と離職率
理学療法士・作業療法士の離職率を考えるにあたり,平均勤続年数は重要な要素です.
考えてみて下さい.
- 平均勤続年数20年で離職率20%
- 平均勤続年数5年で離職率20%
同じ離職率20%でも勤続年数に差があると,単純に比較できません.
なので今回は,下のように分けて解説します.
- PT・OTの平均勤続年数
- PT・OTの分野別離職率
- PT・OTの離職率と他業種の比較
それでは1つずつ解説します.
理学療法士・作業療法士の平均勤続年数
理学療法士・作業療法士の勤続年数は何年程度でしょうか.
2019年度の賃金構造基本統計調査では理学療法士・作業療法士の平均勤続年数は,下のとおりです.
- 男性:6.1年
- 女性:6.3年
- 男女合計:6.2年
平均6.2年となると,新卒の方は28~29歳ぐらいの年齢となります.
28~29歳になると結婚や子育て費用と収入面を考えて転職をする人が増えてきます.
また,女性であれば出産や育児で一度仕事から離れる人も出てきます.
結論:PT・OTの平均勤続年数は6.2年
理学療法士・作業療法士の分野別離職率
理学療法士・作業療法士の分野別離職率を見てみましょう!
第2回理学療法士・作業療法士需給分科会の報告では,医療機関と比較して介護福祉分野での離職率が高い結果でした.
医療機関における平均離職率は10.2%であるのに対して,介護福祉領域での離職率は18.8%となっています.
注目すべきは,訪問リハビリ関連で37.4%を突出していますね.
訪問リハビリ領域で離職率が高い理由として,下の理由が考えられます.
- 個人経営で利益優先
- サービス残業の常習化
- リハビリによる変化が少ない
- 従業員が少なく多忙
- 人間関係
訪問リハビリは高収入な分野だけど,離職率が高いのね.
しっかりと求人を見る必要があるわね.
理学療法士・作業療法士の離職率と他業種の比較
理学療法士・作業療法士の離職率は他業種と比較すると高いのでしょうか?
理学療法士・作業療法士の離職率は,先程の第2回理学療法士・作業療法士需給分科会の報告データから医療機関10.2%と介護福祉領域18.8%を平均した14.5%と言えます.
業界全体と比較すると,宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業、その他サービス業,不動産業・物品賃貸業についで、第5位となります.
このように理学療法士・作業療法士の離職率14.5%は全体で見ると,高い離職率であると言えます.
他業種へ転職を考えている方は,下記の記事が参考になります.
>>理学療法士をやめてよかった!【退職者5名の心の声を調査】
なぜ理学療法療法士・作業療法士の離職率は他業界と比較し高いのでしょうか?
理学療法士・作業療法士の離職率が高い理由
離職し転職することは,当然精神的負担やリスクを伴います.
では,なぜ理学療法士・作業療法士の離職率は高いのでしょうか.
理学療法士・作業療法士の離職率が高い理由は下の5つが考えられます.
- 人間関係
- 給料・待遇
- サービス残業が多い
- キャリアアップ
- 家庭との両立
それでは1つずつ解説します.
離職率が高い理由1:人間関係
離職率が高い理由1つ目は,人間関係です.
人間関係が嫌で離職し転職を考える理学療法士・作業療法士は多いです.
- 体育会系すぎてついていけない
- 行き過ぎた指導をされた
- 他職種と上手くやれない
- 休日に勉強会強制参加
特に,医療専門職種である理学療法士・作業療法士に多いのは,上司や先輩からの「行きすぎた指導」や「パワハラ行為」です。
1〜2年目に離職する理由のほとんどこれらでしょう。
どんな仕事にも必ず人間関係の問題は存在します。
しかし,理学療法士・作業療法士特有の人間関係に疲弊し転職を考える人は多いです。
離職率が高い理由2:給料・待遇
離職率が高い理由2つ目は,給料・待遇です.
理学療法士・作業療法士は身体的・肉体的に負担のかかる仕事です.
業務内容と給料が釣り合わないと不満を抱える理学療法士・作業療法士は多いです.
私を含め,新卒の時は特に何も考えず就職した方は多いのではないでしょうか?
就職後に同窓会などで給料の話になり,「なんで同じ仕事なのに給料差が大きのか?」と思うようになります.
そう,ここで初めて周りと比較して給料,昇級額,また福利厚生が悪いことを知るのです.
この事実を知ると転職を考え始めます.
もう一度下の図をみて下さい.
離職率が低いのは,高度急性期,急性期と大規模で母体がしっかりとしている病院が多いです.
もちろん「やりがい」もありますが,それ以上に給料・福利厚生の充実が離職率の低い要因だと考えます.
驚いたわ!医療機関と介護福祉でこんなにも離職率が違うのね!
理学療法士・作業療法士の給料の詳細が知りたい方は,下の記事が参考になります.
>>たった5分でわかる|理学療法士・作業療法士の年収は中央値で考えるべき理由
離職率が高い理由3:サービス残業が多い
離職率が高い理由3つ目は,サービス残業が多いです.
理学療法士・作業療法士は,1単位で200点など診療報酬上稼げる上限が決まっています.
理学療法士・作業療法士が1日に稼げる金額がしたい方は,「理学療法士・作業療法士の給料は安い|新人や学生の時からとるべき行動3つ」が参考になります.
多くの病院・施設では1日の取得単位数でしか評価されません.
なので,単位以外の下のような業務は評価されずサービス残業となるのです.
- カンファレンス参加
- 書類作成業務
- 他職種との情報共有
- カルテ記入時間
- データ入力
特に,個人経営のクリニックや訪問リハなどでサービス残業が横行しています.
2019年賃金構造基本統計調査によれば理学療法士・作業療法士の残業時間は月に5時間となっています.
職種 | 残業時間 |
---|---|
理学療法士・作業療法士 | 5 |
医師 | 15 |
薬剤師 | 11 |
看護師 | 7 |
診療放射線技師 | 11 |
現場で働いている理学療法士・作業療法士からみたら,5時間はありえない!というのが本音でしょう.
出勤カードを押して,残業させれられる病院もあります.
ブラックですね.
離職率が高い理由4:キャリアアップ
離職率が高い理由4つ目は,キャリアアップです.
今の20~35歳ぐらいの若手療法士は,養成校が乱立し急激に療法士の数が増えた世代です.
下の表は,それぞれ理学療法士・作業療法士の世代別会員数を示しています.
理学療法士・作業療法士は20~40歳までが全体に占める割合はそれぞれ76.3%と74.5%です.
昔は人数が少なく,誰でも部長や主任になることができていました.
しかし同世代が多くなると,部長や主任といったポストにつくことが難しくなります.
あなたの職場のスタッフ数と平均年齢を考えてみて下さい.
優秀な同期や年齢の近い先輩・後輩がたくさんいるはずです.
当然,部長の椅子は1つしかありません.
こんな状況では,キャリアップを図ること困難です.
年々,理学療法士・作業療法士の数は増え続けています.早めにポストにつくことが,生き残る戦略の1つであるとに間違いはありません.
キャリアアップは.理学療法士・作業療法士の継続年数が短く,離職率が高い大きな要因の1つです.
離職率が高い理由5:家庭との両立
離職率が高い理由5つ目は,家庭との両立です.
少し古いデータにはなりますが,2010年女性理学療法士就労環境調査の報告は下のとおりです.
- 全数の離職率は 3.25%、
- 既婚者の離職率は 7.13%
- 経産婦の 4 人に 1 人が切迫流産を経験
女性既婚者の離職率は7.13%となっています.
2018年に厚生労働省が行った離職率調査では平均14.6%(女性17.1%)と比較すると女性理学療法士の離職率は低い傾向にあります.
しかし,
- 残業が多く有給が取りにくい
- 産前産後のサポート体制不足
- 産後のキャリアデザイン
などが原因で離職する女性理学療法士・作業療法士は多いです.
経産婦の4人に1人が切迫流産を経験するなど,女性理学療法士・作業療法士のサポート体制が早く整って欲しいのもです.
少し話が脱線しましたが,家庭との両立をサポートすることで離職率を下げる効果があります.
理学療法士・作業療法士が離職率の低い職場に転職する方法
離職し転職を考える際には,前職を離職した原因が解決する職場を探す必要があります.
例えば,給料が低くて離職し転職した方であれば希望する給料がもらえないと,また離職・転職を考えることになります.
自分が離職・転職を考えた理由を明確化することが,次の職場で離職率を下げる方法になります.
求人には「離職率が低い」と記載されていますが,継続年数やなぜ離職率が低いかわかりません.
また,子育てのため残業がない職場を探しているのに,この求人からでは残業の有無まではわかりません.
このような場合に,転職エージェントを利用しキャリアアドバイザーに相談することで内部事情や具体的な離職率がわかる場合があります.
離職率が低い職場を選ぶ際は転職エージェントを利用をオススメします.
特に,違う県や内部事情がわからない病院や施設に転職する際は強い味方になってくれます.
とにかく離職・転職は情報戦です.
複数の転職エージェントに登録し,失敗のない転職につなげましょう.
転職エージェントの仕組みがわからない方は,下の記事が参考になります.
>>今更聞けない|転職エージェントと転職サイトの違いを徹底解説
オススメ転職エージェントが知りたい方は,下の記事が参考になります.
>>療法士にオススメなリハビリ特化型無料転職エージェント3選
理学療法士・作業療法士の離職率を徹底解説まとめ
今回は,理学療法士・作業療法士の離職率に関して解説しました.
理学療法士・作業療法士の平均勤続年数は下のとおりです.
- 男性:6.1年
- 女性:6.3年
- 男女合計:6.2年
理学療法士・作業療法士の離職率が高い理由は,下記の5つです.
- 人間関係
- 給料・待遇
- サービス残業が多い
- キャリアアップ
- 家庭との両立
理学療法士・作業療法士が転職活動を1人で行うのには限界があります.
転職エージェントを利用するメリット
- 探せる求人数
- 非公開求人
- 労働条件の交渉
- 効果的な履歴書の作成
- 内部事情の調査