理学療法士・作業療法士の年収は中央値で考えるべき理由|平均値より中央値
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- PT・OTの年収の中央値が知りたい!
- 中央値と平均値の違いは?
- 中央値と平均値、参考にすべきは?
年収を考える際に大切なことは、平均値と中央値を理解することです。なぜなら、平均値と中央値は同じ値を取ることもあれば、大きく乖離することがあるからです。
多くの理学療法士や作業療法士が知りたいのは、自分の給料が真ん中(中央)より多いか少ないかです。これを知るためには、中央値を知り理解しておくことが大切です。
理学療法士・作業療法士の世界では、平均値よりも中央値の方が実際にもらっている給料に近い値を取ります。
結論:理学療法士・作業療法士の給料は中央値を参考にすべき
私は療法士になりたての頃、年収の平均値とか中央値についてあまり深く考えていませんでした。
でも、年収の平均値や中央値を知ることって客観的に自分の評価や周りとの比較を行う上で大切すよね?
転職を例にあげると、年収の平均値や中央値を知らないと目の前の求人が高収入求人なのかわかりません。ただ、「今の給料より高いからいいや」こう考えてしまうのです。
非常に危険ですよね。なので、中央値はしっかりと理解しておく必要があるのです。
この記事では、数字アレルギーの方にもわかるように全て図解で説明しています。
記事を読み終える頃には、年収の平均値や中央値が理解できるだけでなく、具体的な年収Upの方法まで分かりますよ!
おくさん
5分ほどで読めるので、年収の中央値の重要性が知りたいなら是非最後まで読んでね!
目次
理学療法士・作業療法士の平均値と中央値の違い
中央値と平均値の違いは下の図をみてください。
【平均値の求め方】
全て足して、足した数で除す(割る)
(3,000万+400万+370万+350万+320万)/5=1028万
【中央値の求め方】
年収を低い方から順番に並べてちょうど真ん中(中央)にある数値
320万→350万→370万→400万→3,000万
*偶数の場合,真ん中の2つの数値を足して2で除した(割った)値が中央値になります。
上の図では、同じ5人なのに
- 平均値:1028万円
- 中央値:370万円
どっちが正しいの?
直感的に中央値が正しく感じますよね。
その通りです。
平均値を使うときは、データが偏ってないことが前提にあります。(専門用語で正規分布といいます)
今回のケースでは、3,000万円の人が入っているのでデータが偏りますね。
なので中央値で考える必要がありますね。
理学療法士・作業療法士の年収の平均値と中央値はどのぐらい?
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によれば、理学療法士・作業療法士の平均月収は28万7,5000円で年収としては409万6,400円となっています。
年収400万円の場合、手取りとしては年間310万円程度になります。
年間で銀行に振り込まれる合計金額(ボーナスも含む)が310万円以上ありますか?
では、気になる中央値ですが、平均年収.JPによれば、理学療法士の年収中央値は351万円です。
性別 | 理学療法士の年収中央値 |
---|---|
全体 | 351万円 |
男性 | 390万円 |
女性 | 312万円 |
*作業療法士の年収も職業区分が同じため、同額と考えます。
年収350万円の場合、手取りとしては年間280万円程度になります。
年収平均と中央値のまとめ
- 平均値:409万6,400円
- 中央値:351万円
- 差は約60万円
年末に病院や施設から渡される源泉徴収票を見てみましょう!
赤枠の金額は、平均値の409万6,400円と中央値の351万円どちらに近いですか?
多くの理学療法士・作業療法士は中央値の351万円に近いと思います。
理学療法士・作業療法士の年収を中央値で考えるべき理由3つ
理学療法士・作業療法士の年収を中央値で考えるべき理由は下の4つです。
- 療法士の年齢分布
- 若い世代の昇給率が低い
- 働く分野で年収差がある
それでは1つずつ解説します。
中央値で考えるべき理由1:療法士の年齢分布
中央値で考えるべき理由1つ目は、療法士の年齢分布です。
上の図のように理学療法士・作業療法士は20〜40歳までがまさにベビーブームならぬセラピストブームです。
ここ10~15年でタケノコのようにニョキニョキ育成校ができ大量の療法士が生まれました。
若手療法士の給料の特徴は
- 給料が安い
- 昇給しない
- 人数が多い
- 管理職が少ない
一方で、45歳以上の療法士たちは人数も少なく昇給額も高い世代でした。
私が約10年前に新卒で入社した民間病院は、45歳ぐらいのベテラン療法士は給与形態や昇給額が若手と違いました。
このように、若手が多くベテランが少ない状態、つまり年収差が大きい状態で算出する場合は平均値だけでなく中央値も見る必要があります。
もう一度下の図をみてくだい。
多くの理学療法士・作業療法士が知りたいのは、自分が療法士の中で真ん中(中央)と比較してどの程度給料をも貰っているかです。
公務員や一般企業のように年齢分布の形が綺麗なデータでは、平均値と中央値はほぼ同じ値をとります。
しかし、療法士の世界のように年齢分布が偏ったデータでは中央値を参考にする必要があります。
年齢分布まとめ
- 療法士の年齢別人数には偏りがある
- データに偏りがある場合は中央値もみる
中央値で考えるべき理由2:若い世代の昇給率が低い
中央値で考えるべき理由2つ目は、若い世代の昇給率が低い点です。
学生時代に養成校の先生から「昔は給料が良かったし,ちゃんと昇給していた」なんて聞いたことがある方もいるでしょう。
2010年以前のデータがないので比較のしようがないですが、療法士の人数や需要と供給、そして養成校の先生の話しからすると間違いなく今よりも昇給額は多かったと推測できます。
私が学生時代にお世話になった60代の教授は、「私が理学療法士になりたての頃は、地方に行けば1,500万円ぐらいは稼げていた」と言っていました。
当時は、単位や患者の上限はなく、集団でもコスト請求ができていた時代です。
当然、収益性が高いので給料が高くなります。
一方で、今の若い世代では公務員や公的機関に所属する療法士以外の昇給は良くて2,000円から3,000円程度でしょう。
*公務員理学療法士の給料に関して詳しく知りたい方は,「理学療法士が公務員として働いた場合の給料」が参考になります.
私の友人が勤務しているクリニックでは、昇給1,000円だそうです。
30年勤務しても3万円…厳しいわね。
年収の高い50〜60歳のセラピストが引退しても新卒で入社してくる若手療法士の昇給額が低いため、データに偏りが出ます。
これが、平均値だけでなく中央値で考える必要がある2つ目の理由です。
今の30代の療法士が60歳になった時に年収平均値と中央値がほぼ同じ値になると考えます。
中央値で考えるべき理由3:働く分野で年収差がある
中央値で考えるべき理由3つ目は、働く分野で年収差がある点です。
理学療法士・作業療法士として働く場合、働く分野で年収に大きな差が出ます。
下の図のようなイメージがわかりやすいです
このように、理学療法士や作業療法士の給料を比較する場合、高所得な大学教員・公務員とクリニック・療養型病院を比較する場合には年収の偏りが大きくなります。そのため、平均値だけでなく中央値で比較検討する必要があります。
これが理学療法士・作業療法士の給料を平均値だけでなく、中央値で考える必要がある3つ目の理由です。
理学療法士・作業療法士が年収を上げる方法
じゃあ、どうやったら収入をあげられるの??
理学療法士・作業療法士が収入をあげる方法は2つです。
- 転職
- 副業
それでは、1つずつ解説します。
年収を上げる方法1:転職
年収を上げる方法1つ目は、転職です。
年収Upで最も効果的なのは転職です。なぜなら年収は、職業×業界で規定されるからです。
私は、8年目と9年目に2度転職しています。
20代前半は病院で経験を積んでも良いでしょう。
しかし、結婚・マイホームを購入・教育資金、さらには老後資金を考えると高収入の分野に30歳前後には転職しておくべきです。
正直、35歳を超えて転職するは難しいです。
募集要項に年齢制限を設けている求人もたくさんあります。
なので、なるべく早く高収入の分野に転職することをオススメします。年収は会社が決めるので、自分でコントロールすることはできません。
つまり、給与や待遇が良いところに転職するしか収入Upは期待できないのです。
年々、理学療法士や作業療法士の数は増えており、2040年は供給が需要の1.5倍になることを厚生労働省は予測しています。
「転職したくても出来ない」
そんな時代がくるのです。
転職エージェントを利用
忙しい臨床業務の中転職活動を効率良く進めるためには転職エージェントがオススメです。
転職エージェントは、忙しい臨床業務の傍らで転職活動を行う、あなたをサポートしてくれます。
無料で利用することができ、ハローワークや転職サイトでは見つけることのできない非公開求人や独占求人をたくさん保有しています。
求人を探すことから履歴書作成、面接練習まで無料で行っていくれます。
転職エージェントが無料で行ってくれるサービス
- 完全無料
- 希望求人の検索
- 非公開求人
- 履歴書添削
- 面接練習
- 見学・面接日の調整
- 見学・面接同行
- 給与・福利厚生の交渉
- アフターサポート
転職エージェントは「よく分からなくて不安」、「仕組みについて詳しく知りたい」という方は、下記の記事で詳しく解説しています。
>>知らなきゃ損する】PT・OT・STが転職エージェントを利用する前に知っておくべきポイント5つ
療法士が転職する時にオススメな転職エージェントをもっと知りたい方は、下記の記事で詳しく解説しています。
年収を上げる方法2:副業
年収を上げる方法2つ目は、副業です。
理学療法士・作業療法士の給料には上限があります。なぜなら療法士は、『診療報酬上108単位/週』以上は算定することができないからです。
考えてみてください。
もしもの時に備えて保険に入っていますよね?
車を運転する方は、自賠責保険。また怪我や病気に備えて、生命保険や医療保険に加入しているはずです。
これと同じで、もし理学療法士や作業療法士として働けなくなった時やリストラにあった場合に備えて副業を通して収入源を確保しておくことは大切です。
世間はコロナウイルスのパンデミックから副業を推進しています。療法士も、積極的に副業を始め自分で稼ぐ力を身につける必要があるのです。
副業で収入Upをしたい方は下記の記事を参考にしてください。
>>理学療法士・作業療法士の副業禁止は古い!バレない方法をFPが解説
理学療法士・作業療法士の年収は中央値で考えるべき理由:まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は,理学療法士・作業療法士の年収を考える時は平均だけでなく中央値でも考える必要性を解説しました.
理学療法士・作業療法士の年収平均値と中央値
- 平均値は409万6,400円
- 中央値は351万円
- 差は約60万円
理学療法士・作業療法士の年収を中央値で考えるべき理由
- 療法士の年齢分布
- 若い世代の昇給率が低い
- 働く分野で年収差がある
理学療法士・作業療法士が収入Upにオススメな転職先
- 訪問リハビリ