言語聴覚士に仕事の本音を聞いてみた結果|現役STの仕事の本音とは?

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  • 言語聴覚士を目指したいけどぶっちゃけどうなの?
  • 仕事の本音を聞いてみたい…
  • 医療国家資格って安泰なの?

本記事を読めばこのような悩みを解決できます。

「言語聴覚士になりたいと思っているけど、ぶっちゃけ本音はどうなの?」とお悩みのあなたへ。

これから言語聴覚士(ST)を目指そうと考えているけど、現役STから仕事内容や良い面、悪い面の本音が聞いてみたいという方も多いのではないでしょうか。

そこで、本記事では現役言語聴覚士の5名の方に仕事の本音を聞いてみました。これから言語聴覚士を目指す方はもちろん、現在言語聴覚士として働いていて他の人は仕事についてどう思っているか気になる方も必見です。

目次

言語聴覚士の本音は?現役STの生の声が聞いてみたい!

高齢化社会でこれからリハビリの需要がますます高まる…言語聴覚士はまだ人数も少ないし、理学療法士や作業療法士に比べて肉体的負担が少ないから長く働けそうでいいなぁ…と感じで言語聴覚士を目指そうと考えている方に注意して欲しいことがあります。

それは『しっかりと情報収集しないと後悔するよ』って事です。

医療国家資格で将来安泰。給料や雇用条件も安定しており、少子高齢化社会でニーズがさらに高まる職業…

でも、これらの情報ってすべて本当?

言語聴覚士の職域は?

どの程度収益を上げれるの?

社会的地位は?

これらの質問に答えることができますか?

答えれなかったら危険。だって、これから人生の大半を捧げる仕事だから。

早く、進路を決めてしまいたい!と思って言語聴覚士を目指しても必ず後悔します。

「あれっ?思い描いていた仕事内容と違う!」

「給料ってこの程度なんだ..」

「やりがいを感じない」

このように感じて「進路選択の時にもう少し、ちゃんと調べたらよかった…」と失敗や後悔の念に晒されてしまいます。

こうならないためにも、前述したように『情報取集』が大切。昔は身近に言語聴覚士になった方がいないと情報収集は困難でした。

しかし、現在はインターネットの発達により簡単に情報にアクセスすることができるようになりました。

それでは、後悔しないために現役言語聴覚士の方の仕事の本音を聞いてみましょう!

言語聴覚士の仕事の本音

仕事の本音を紹介してくれる現役言語聴覚士は下記の5名です。

年齢経験年数勤務先
Mさん27歳5年目回復期
Kさん34歳9年目急性期
Uさん29歳6年目療養
Aさん25歳3年目回復期
Sさん24歳2年目地域包括病棟

アンケート内容は一部改変して記載しています。

言語聴覚士の仕事の本音①:Mさん

年齢・性別

27歳・男性

勤務先

回復期リハビリテーション病棟

良い点

私が勤めている病院はあまり病床数が多くありません。STは全体で4名です。職場自体は、働きやすく基本的には定時に帰ることができます。

ライフワークバランスは取りやすいです。

悪い点

回復病棟に勤務しているので、365日体制でリハビリを実施しています。なので、土・日や祝日は出勤することがほとんです。

将来的には土日が休みの職場に転職したいと考えています。

仕事の本音

脳血管疾患で生じた失語症や嚥下障害、構音障害の回復過程に携われるやりがいのある仕事だと感じています。

一方で、勉強会や自己研鑽等で休日返上なんてことは日常茶飯事です。自腹のことも多いので、パートナーの理解がないと厳しいと思います。

民間病院の給料は350〜400万円程度です。500万円クラスになると、公務員か訪問リハしかありません。(公務員は正直倍率高いので厳しめです…泣)

STも移乗したりはするので、体力仕事な面もあります。

言語聴覚士の仕事の本音②:Kさん

年齢・性別

34歳・女性

勤務先

急性期

良い点

「食べる」という行為に携わることができる専門職。私が勤めている病院は、急性期ですが手術件数が少なく割とゆっくりしています。

地元の病院で地域医療に携わりたかったので、とても充実した日々を送っています。高次脳機能障害は長時間かけて回復していくものなので、忍耐力を要します。

その分、患者さんの声が出たり会話ができるようになった時の嬉しさは何物にも変える事ができない喜びです。

悪い点

認知度が低く、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)と比較してエビデンス(科学的根拠)がまだまだ乏しい領域です。

他の職種から「ただ話しているだけじゃん」とか言われることもあります。事実だけど、とても悔しい気持ちになります。

また、PTやOTと比べて職域が狭いので担当できる疾患が限定されてしまいます。売上もPTやOTと比べ低いのが現状です。

政治的な強さやエビデンスの構築が今後の課題だと感じています。

仕事の本音

私は子供が3人いるので、基本的に時間給を使って定刻で帰ります。他の医療職は夜勤がありますが、リハビリ職種にはありません。

なので、子供との時間を確保でき一緒に過ごせるので嬉しいです。

PTさんやOTさんと比べ(特にPTさん)、身体的介助が少ないので長く働けると思います。PT・OTさんの女性の方から「STになればよかった…」とよく言われます。

それだけ、身体的介助が負担になっているみたいですね。確かに女性で定年近くになって介助歩行はキツそうですね…

言語聴覚士の仕事の本音③:Uさん

年齢・性別

29歳・女性

勤務先

療養

良い点

家庭と子育ての両立がしやすいと感じています。

私の病院では小学校に入るまで時短勤務が使えるので、ストレスなく働けています。夫が理学療法士なので、仕事内容にも理解があって助かっています。

女性にとっては夜勤がなく比較的残業時間も短い職業だと思うので、出産・育児と仕事の両立がしやすいと思います。

悪い点

悪い点と言いますか、言語聴覚士に限らずリハビリ職種全体に言えることですが、人の仕事に対してケチをつけることが一定数います。

一般企業でもいると思いますが、リハ職の場合は治療手技やアプローチ方法などちょっと特殊なものです。

言葉にしにくいのですが、「〇〇はエビデンスないのになんでするの?」「そんな介入意味あるの?」みたいな感じです。

もう一点が給料です。正直、言語聴覚士一馬力で家庭を支えるのは難しいです。なので、結婚し、子供が産まれた後も基本的には共働きとなります。

専業主婦(夫)になりたい方はちょっときついですね…

仕事の本音

仕事自体は根気がいる仕事ではありますが、人と接したり関わるのが好きな方であれば適性があると思います。

リハ3職種の中でも歴史が最も浅いため、何かと理不尽なことは正直多いです。リハ部のトップはほとんどPTやOTです。

中にはSTの仕事内容を理解しておいらず、無理難題を言ってくる上司もいます。また、看護師さんからは食事の人と思われているケースもあり、食事介助がメインの仕事になるケースも散見されます。

もう少し職域や認知拡大をしていくことが、大切だと感じています。摂食・嚥下に関しては、看護師さんや介護士、また歯科医師などと職域の取りありになっていますので、今後の将来性は不透明です。

言語聴覚士の仕事の本音④:Aさん

年齢・性別

25歳・男性

勤務先

3年目

良い点

個室で会話していたら単位が取れるので楽な仕事

悪い点

全然給料が上がらない(民間は1,000円ぐらい。多くて3,000円)

仮に基本給が18万円で昇給が2,000円だと30年目でも基本給24万円。50歳すぎて24万はやばい。

はっきり言って、高校時代に戻れるなら絶対にならない仕事。

仕事の本音

給料上がらないのでモチベーションは常にない。資格取得や自己研鑽をしても給料上がらんし、勉強会というなの強制的な残業もあるし、マジで辞めたいと思っている。(現在マーケ関連の勉強をしており、そのうち辞める)

①一生雇われ、②低賃金、③休み少ない、これで働ける人は目指す価値あり。

求人はあるんので、仕事がないって困ることはないですよ。

言語聴覚士の仕事の本音⑤:Sさん

年齢・性別

24歳・女性

勤務先

地域包括ケア病棟

良い点

座っている時間が長いので、比較的楽。

どんな職場でも大体18万円は保証される。

悪い点

PT・OTさんと比べ国家資格の合格率が低いので、結構大変。その割に給料は低い。

人事評価なんてあってないもの。みんな一律で1,000円昇給みたいな感じ。同期はすぐに辞めました。

PT・OT・STはすでに飽和状態になりつつあり、後はジリ貧になるだけ。

仕事の本音

ぶっちゃけ、こんなことして意味あるのかなって思いながら生活のためだけに働いている。やりがいとかいう感情はなし。

時間の切り売りでコスパ悪いなって思う。

これから目指す人は、マジでしっかり調べてからにしな。3~4年学校に通って資格とって、後悔したらシャレにならんですよ。

言語聴覚士の仕事の本音【良い面】

5名の言語聴覚士の仕事の本音をまとめると、良い面としては下記の3つがあげられました。

  • 仕事と家庭の両立しやすい
  • 身体的に負担が少ない
  • 最低ラインが保証される

それでは1つずつ解説します。

仕事と家庭の両立がしやすい

1つ目は、仕事と家事の両立がしやすい点です。

家庭と子育ての両立がしやすいと感じています。

私の病院では小学校に入るまで時短勤務が使えるので、ストレスなく働けています。夫が理学療法士なので、仕事内容にも理解があって助かっています。

女性にとっては夜勤がなく比較的残業時間も短い職業だと思うので、出産・育児と仕事の両立がしやすいと思います。

引用:Uさんコメント

リハビリ職種は基本的に夜勤がありません。なので、朝食・夕食を家族で一緒に食べる事ができます。

小さなお子さんがいる家庭で、近くに両親がいない場合は夕方17〜18時の間で仕事を終えて帰宅したいですよね。

言語聴覚士はライフワークバランスがとりやすい!

身体的負担が少ない

2つ目は身体的負担が少ない点です。

言語聴覚士は理学療法士や作業療法士に比べ身体的介助が少ない職種です。

理学療法士で「腰が痛くてコルセットをしている…」「ヘルニアになった…」なんてことを聞いたことありませんか?

実際に理学療法士で腰痛持ちの方は本当に多いです。

その点、言語聴覚士は歩行練習をはじめとした身体的介助が少なので、腰や首などへのストレスも少ないと言えます。

PTやOTと比較して長く働くことのできる職業です。

言語聴覚士は身体的負担が少ない医療職種

最低ラインが保証される

3つ目は最低ラインが保証されることです。

低賃金でブラック…なんてことも言われたりします。一方で、言語聴覚士は医療国家資格であり最低ラインが保証されています。

SNS等で手取り13万円…みたいなことを見たことがある人も多いのではないでしょうか。

基本的に20万円前後は全国どこで働いても稼ぐ事ができます。転職する際も一般職と違い、医療国家資格はしやすいです。

最低ラインが保証され、転職(病院・施設間)がしやすいことも言語聴覚士の大きな強みの一つです。

最低ラインが担保

言語聴覚士の仕事の本音【悪い面】

一方で、言語聴覚士の仕事の本音の悪い面は下記の3つがあげられました。

  • 給料が低い
  • 勉強会という名のサービス残業
  • やりがいを感じない

1つずつ解説します。

給料が低い

悪い本音の1つ目は給料が低いです。

全然給料が上がらない(民間は1,000円ぐらい。多くて3,000円)

仮に基本給が18万円で昇給が2,000円だと30年目でも基本給24万円。50歳すぎて24万はやばい。

はっきり言って、高校時代に戻れるなら絶対にならない仕事。

引用:Aさんのコメント

言語聴覚士のみを対象した調査結果は存在しません。給料はどこの病院や施設でも理学療法士と作業療法士とほぼ同額です。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によれば、平均月収と年収は下記のとおりです。

  • 平均月収:28万7,500円
  • 平均年収:409万6,400円

*平均年収はボーナスも含む金額です。

言語聴覚士は4万人ぐらいで飽和と言われています。2022年の時点で累計合格者数が38,200名となっており、もうすぐ需要と供給が一致します。

なので、買い手市場となれば当然昇給の見込みもなく、低賃金労働の可能性が高くなります。

平均年収409万円

勉強会という名のサービス残業

悪い本音2つ目は勉強会という名のサービ残業です。

リハビリ界隈では部内での症例発表や勉強会などが頻繁にあります。

「患者さんのために…」

「自己研鑽って当たり前だよね」

このように勉強会や自己研鑽するのが当たり前という考えを平気で押し付けてきます。結果、業務終了後に勉強会が開催され、強制参加を強いられるケースが多いです。

参加しないと上司から白い目で見られ、最悪人間関係や出世にも関わってきます。

おくさん

子育て世代には厳しいわね….

まね

自由参加とか言って、出席とってくる施設もあるよ。

やりがいを感じない

ぶっちゃけ、こんなことして意味あるのかなって思いながら生活のためだけに働いている。やりがいとかいう感情はなし。

時間の切り売りでコスパ悪いなって思う。

これから目指す人は、マジでしっかり調べてからにしな。3~4年学校に通って資格とって、後悔したらシャレにならんですよ。

引用:Sさんコメント

Sさんのようにやりがいを感じずに生活のためと割り切って言語聴覚士と働いているケースは多いです。

これは、言語聴覚士に限らずどんな仕事にも言えることです。

でも、長く働くのであれば興味があったり、やりがいを感じながら働きたいですよね。

なので、言語聴覚士になる前にはしっかりと業務内容、待遇、給料面など多角的に調べてから目指す必要があります。

まね

それでは、次の章では言語聴覚士を目指す前に必ずしておくべきことを解説します。

言語聴覚士を目指す前にしておくべきこと

言語聴覚士を目指すにあたって、必ずしておくべきことは下記の3点です。

  • 先輩や友人に相談
  • 書籍
  • 学校見学

それでは1つずつ解説します。

先輩や友人に相談

1つ目は先輩や友人に相談です。

学校の先輩や友人に現役の言語聴覚士の方がいたら、必ず生の声を聞いてください。実際に働いている人の経験や体験談は最も信頼できる情報の1つです。

聞くにあたって注意することは、一側面だけを聞かないことです。

具体的には、良い点・悪い点などにわけ情報取集を行います。また、自分が思い描いている仕事内容と実際の仕事内容のズレなどを修正します。

書籍や学校見学は、プラスの側面が強調されて発信されている事が多いので、友人や先輩に聞く際はマイナス側面を詳しく聞いたほうがいいです。

  • 年収
  • 昇給額
  • 福利厚生
  • 残業の有無
  • 職場でのSTの立場

上記の質問は必ずするようにしましょう。また、公務員で働く場合やSTならではの補聴器業務や耳鼻咽喉科での働き方も併せて聞くと良いでしょう。

事前に聞きたい内容をメモって聞くようにすると漏れを回避できます。

まね

後悔しないためにも、できる限りの情報取集を行いましょう!

書籍

2つ目は書籍です。

書籍は仕事内容を網羅的に把握するのに向いています。

一方で、前述したようにプラスの側面を強調して記載させていることに注意しながら読むことが大切です。

下記の本は言語聴覚士に関して網羅的に書かれている書籍なので、目指す方は必見の1冊です。

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学校見学

最後は学校見学です。

基本的には3年制もしくは4年制の学校に通い国家試験に合格する必要があります。(条件付きで2年制もあります)

学費を抑えて早く資格を取得したい場合は3年制がおすすめです。一方で、しっかりと時間をかけて学びたい場合や学士の称号が欲しい方は4年制大学がおすすめです。

リハビリ界隈って結構コネが強い業界です。大学附属病院や関連病院などは、3年制の専門学校より4年制大学の方が就職しやすかったりします。

なので、あなたの状況によって進学先を決めるとよいでしょう。

個人的には「歴史」がある学校をお勧めします。なぜなら、卒業生も多く教員も顔が広い傾向にあるからです。歴史があり卒業生が多いと、当然病院や施設などで管理職についている割合も多く就職に有利だから。

学校選びのポイント

  • 歴史
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  • 通学距離

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言語聴覚士に仕事の本音を聞いてみた結果|現役STの仕事の本音とは?:まとめ

最後にもう一度、言語聴覚士の良い・悪い本音についてまとめます。

良い本音

  • 仕事と家庭の両立しやすい
  • 身体的に負担が少ない
  • 最低ラインが保証される

悪い本音

  • 給料が低い
  • 勉強会という名のサービス残業
  • やりがいを感じない

今後、言語聴覚士を目指そうと考えているあなた。どんな仕事にも良い面、悪い面は必ずあります。

大切なことは後悔しないために可能な限り情報取集すること。

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